韓国人と中国人が気になっていた、日本とは微妙に違う礼儀作法

三国探讨日常小礼节:面,到底怎么个吃法?吃米饭到底端不端碗?いただきます…是不是必须说?斟酒到底怎么个斟法?敲桌子什么意思?鞋子脱放玄关摆向到底是朝前还是朝后?

日本では当たり前だと思っていることでも、外国人から見るとマナー違反だったり、違った意味になったりすることがあります。逆も然りで、日本人から見ると「それってどうなの?」って思う海外の作法ってありますよね。今回は日本出身の編集部と、中国と韓国それぞれの出身者が集まって自分の国の作法について話す座談会を開催。近い国なのに全く異なる作法にめちゃくちゃ盛り上がっちゃいました! まさに異文化交流。さっそくご紹介していきます。

参加者プロフィール

日本出身(以下・リカ):トリップエディター編集部のリカちゃん。26歳。生まれも育ちも日本なので作法を完璧にマスターしているハズ!?

中国出身(以下・):上海生まれのサラリーマンの王くん。29歳。日本在住歴11年。趣味はサッカー&旅行。

韓国出身(以下・ユナ):ソウル生まれハワイ育ちのユナちゃん。26歳。日本在住歴10年。アメリカン文化も強め女子。

日本人が当たり前と思っているけど!?

リカ(日):さっそくなんだけど、日本に来て驚いた作法の違いとかってある?

王(中):今でも覚えてるのは、最初に立ち食い蕎麦のお店に入ったとき、みんな麺をズルって音を立てて食べていたことには驚いたかな。中国では麺をすする音はマナーが悪いと思われるから、「おお!」ってなった。

ユナ(韓)麺は長寿を意味してるから噛み切らずにすすって食べるものって聞いたことがある。でも音は立てないかなぁ。お年寄りは音を立てる方が多いけど、若者は音を立ててすする人は少ないと思うよ。

リカ(日):一時、ヌーハラ(ヌードハラスメント)なんて言葉もあったもんね。あと蕎麦は香りを楽しむためにわざと音を立てて食べるものって言うね。

王(中):小さい頃から、音を立てて食べることは非常に良くないことって教わってきたよ。

リカ(日):作法って子どもの頃から教わるもんね。

韓国人がお茶碗を持たない理由がシンプル

リカ(日):小さいときに教えられたことと言えば、お茶碗は必ず持って肘を付かずにご飯を食べなさいって教わったよ。

王(中):中国も基本的には同じ。中国ではお皿を持ち上げることはダメなんだけど、ご飯が入っているお茶碗だけは持ち上げてオッケー。

リカ(日):大皿は持たないけど、小鉢程度なら持って食べないと怒られてたよ(笑)

ユナ(韓):韓国は持たないかなぁ。理由はめっちゃシンプルなんだけど、お茶碗が熱いんだよね。だから持たない。

ご飯を食べる前に、何も言わない!?

リカ(日):みんなは、ご飯を食べる前に「いただきます」って言う?

ユナ(韓):「いただきます」にあたる言葉はあるけど、日本では食べ物に対する感謝の気持ちだよね? 韓国は、作ってくれてありがとうとか、ご飯奢ってくれてありがとうみたいな意味になるかなぁ。

リカ(日):家族でご飯を食べる前に言わないんだ?

王(中):僕も言わないかなぁ。「いただきます」に当てはまる言葉が見つからない。あるのかもしれないけど、「みんな食べよ〜」くらいの言葉しか使わないかも。

リカ(日):じゃあいつ食べはじめるの? みんな自由に食べる感じ?

王(中):何も言わないよ。でも、年長者が箸をつけてから食べ始めるね

ユナ(韓):一緒。目上の人が食べてから食べないと失礼になる

リカ(日):家族だとすると、おじいちゃんとかおばあちゃんが食べ始めてからじゃないとダメなんだ・・・。

王(中):そういうことになるかな。

リカ(日):「いただきます」って言ったら、おばあちゃんより先に食べてたよ!(笑)

ビールってどうやって注ぐ?

リカ(日):ビールとかを飲む時は日本では自分で手酌すると出世しないというジンクスがあるけど、みんなはどう?

王(中):出世できないってジンクスはないと思うけど、一人で飲むのはあまり良くないね。

ユナ(韓):手酌すると、前に座っている人に良くないことが起こるとか、恋人ができにくくなるとかって聞いたことがあるよ。基本的にお酒は一人では飲まないからね。

リカ(日):一人で飲むのはダメなの!?

ユナ(韓):お酒はみんなで楽しくわいわい飲むものだから、一人で飲んでいると「どうしたんだろう?」って思う。

王(中):そうそう。飲み会とかで一人で手酌していると「この場がつまらない」って意味になるよ

リカ(日):飲み会でも一人で適当にするけど、確かにみんなで盛り上がった方が楽しいもんね。

王(中):あとは、お酒は瓶のラベルが見えるようにお酌するかな。

リカ(日):ラベルを上にするのは聞いたことあるかも。

ユナ(韓)目上の人に注ぐときは片手でお酌をして、もう片方は自分の腕とかに添えてお酌する。ちなみに飲む時は横を向いて口を隠す(笑)

リカ&王何で!?

ユナ(韓):知ってるかもだけど、韓国には年長者を敬うっていう文化があるから絶対に年齢が重要になるの。だから飲んでいるところを見せない、年長者の正面でグラスの底を見せないっていうのがあるよ。

リカ(日):韓国に行くとたまに見知らぬ年上の人が奢ってくれるけど、そのときは気をつけた方が良いかも。

ユナ(韓):もちろんそんなに厳しいわけじゃないから大丈夫だよ!

王(中):中国はお酌っていうよりお酒の飲み方のほうがルールが多いかな

リカ(日):例えば?

王(中):日本は乾杯のときは基本ビールだけど、中国は強いお酒を最初に飲んで、弱いお酒へとシフトしていく。そして好きなタイミングで飲むのではなく、乾杯して飲む、みたいな。

ユナ(韓):韓国も乾杯して飲むことが多いね。ちなみに相手が飲んでいる途中(グラスの中が空になっていない状態)では継ぎ足しはしないよ。

お茶のおかわりを頼むとき

王(中):みんなは飲食店でお茶のおかわりがほしいとき、どうしてる

リカ(日):すみませんという、もしくは手をあげる。店員さん呼ばないとお茶はもらえないからね。

ユナ(韓):テーブルにお水のボトルが置いてあるから、自分で注ぐかな。

王(中):中国も基本的にお茶がテーブルに置いてあるんだけどおかわりは自由なのね。もしもおかわりするときは、急須の蓋ずらしたり、蓋を反対にして急須にのせると、「おかわりをください」の合図になるよ。

リカ(日):それなら友達との会話をさえぎって店員さんを呼ぶ必要がないね。そういえば中国ではお茶がほしいときにテーブルを叩くって聞いたんだけど、それって本当なの?

※イメージです。

王(中):お茶が欲しいからテーブルを叩くのではなく、お茶を注がれたときは人差し指と中指でテーブルをトントンってすることがあるよ。これは「ありがとう」って意味なんだよ。

リカ(日):どうしてテーブルを叩くと「ありがとう」なの?

王(中):昔、一番の礼儀は皇帝へ挨拶するとき、両膝を床に付けて頭を下げることだったのね。今の中国だと両膝を床に付けて頭を下げることは親にしかしないんだけど(笑)指でトントンするのは両膝を床につけるイメージを表してるから、「ありがとう」って意味になるんだよ。

リカ(日):なんかすごい。もしも自分が店員だったとしたら、お茶とかお水を注いだ時にトントンってされると「え? イライラしてる?」って思っちゃう。

王(中):中華料理店とかでトントンしている人がいても、怒っているわけではないから気にしないで!(笑)

お家にお邪魔することになったら?

リカ(日):日本には色んな作法があるけど、飲食店だけじゃないんだよね。

王(中):例えば、銭湯では湯船に浸かる前に体を洗うとか、玄関では靴を脱がなきゃいけないよね?

リカ(日):そうそう。ちなみに脱いだ靴は外に向けて揃えなきゃいけないよ。

王(中):中国は日本の玄関みたいに区切られていないから、土足で入る家もあれば、脱ぐ家もある。っていうのも家に入るときに靴を脱ぐっていうのはここ最近20年くらいのことなんだよ。統一されているわけではないから、日本みたいに家に入るときは必ず靴を脱いで外に向けて揃えるっていう作法はないね。

ユナ(韓):外に向けて揃えるの? 私たちは逆だね。

リカ(日):室内(内側)に向けて揃えるの?

韓国ではつま先を室内に向ける image by: Shutterstock.com

ユナ(韓):入った時のままって感じ。つま先を外に向けて揃えると「さっさと帰りたい」って意味になるのよ。あと揃えない人も結構多いけどね。

リカ(日):家主が揃えたりすることはないの?

 

ユナ(韓):基本的にはそのままだね。

リカ(日):じゃあ、いつも通り外に向けて揃えると失礼な意味になっちゃうのか。知らなかった!

国によって違う作法がおもしろい

いかがでしたか? 日本と中国と韓国によってそれぞれ作法が異なり、時には違った意味に捉えられてしまうこともあるようですね。今回はサクッと私たちが人から教わってきた作法をもとに話し合ったので、もしかしたら正確な作法とは少し違うかもしれませんが、知らないことを知れてとても面白かったです。次回はもっとびっくり仰天な話を聞けたら良いなぁと思います! もしも韓国や中国へ行くことがあったら、今回紹介した作法を思い出してみてくださいね。

TRIP EDITOR 编辑部提供

image by: Shutterstock.com